VIX(恐怖指数)とは?水準より「向き」で暴落の予兆を読む

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「テクニカルは正しかったのに、負けた」。個別銘柄のチャートが良く見えても、相場全体が荒れると判断は難しくなります。

私が銘柄を探す前に確かめるのは、今の地合いです。その入口に置いているのがVIX(恐怖指数)。この記事では、私が学んだ見方と、私自身の観測を分けながら、7月の実際のチャートで「水準より向き」をどう読むか整理します。

VIXとは?「恐怖指数」と呼ばれる理由

VIXは、米CboeがS&P500のオプション価格から算出する、今後30日間の予想変動率を示す指数です。数値が高いほど、市場が将来の値動きを大きく見込んでいることを表します。Cboeの説明でも、株価の上げ下げの方向を予測する指標とは定義されていません。

株価の急落時にはVIXが上がりやすいため、「恐怖指数」と呼ばれます。ただし、VIXだけで次の暴落を言い当てられるわけではありません。

VIXの水準はどう見る?

VIXの水準大まかな見方
20未満比較的落ち着いた状態
20〜30警戒感が意識されやすい
30〜40不安がかなり強い
40超極端に変動懸念が高い
これは目安の一例で、Cboeが定めた公式区分ではありません。

私はこの境目だけで売買を決めず、VIXが上向きか、下向きかを重視します。たとえば20未満でも急に上昇し始めたなら、変化を見落としたくありません。

日本株を見るなら日経VIも併用する

VIXは米国のS&P500が対象です。日本株では、日経平均オプションを基に将来の変動見通しを示す日経平均ボラティリティー・インデックス(日経VI)も見ます。

日本市場が開く前には直近の米国VIXの確定値を確認し、取引中や引け後には当日の日経VIも確かめます。対象市場が異なるので、二つの数値を単純に横並びにはせず、それぞれの推移を見ます。

「水準」より「向き」をチャートで読む

私が学んだフレームでは、VIXにMACDとパラボリックSARを当て、警戒感の方向を見ます。VIXのMACDが上向きにクロスし、SARの点がローソク足の下側に移るなら、VIXの上昇方向への変化として警戒。逆にMACDが下向きにクロスし、SARの点が上側に移れば、沈静化を考える材料です。

株価では上昇がうれしくても、VIXの上昇は株価への逆風になり得ます。次の図では、上段がVIXの価格と青いSARの点、中段が青いMACD線と橙のシグナル線、下段がRSIです。

VIX日足の2026年6月下旬から8月末のチャート。ローソク足、パラボリックSAR、MACD、RSIを表示。
VIX日足の全体像(表示範囲:2026年6月25日〜8月31日)。7月の変化とその後の推移を確認できます。画像上部の「14.88」は撮影時の表示値で、この表示範囲の末日の値ではありません。

MACDやSARは、値動きから計算した指標です。クロスが見えた時点で、すでに相場が動いている場合もあります。私はRSIの切り返しも補助的に見ますが、先行して必ず急落を知らせる合図とは考えません。

2026年7月:「需給」とVIXに時間差があった

私の当時の観測では、7月前半に空売り残の減少と信用買い残の高止まりを警戒していました。買い戻し余地が減り、買い側の重さが気になる一方、VIXにはまだ大きな上昇が見えない。需給に警戒材料があるのに、VIXは静かという時間差です。空売りの買い戻しについては踏み上げの記事でも説明しています。

「VIXが低いから安全」と決めつけず、拡大図で中旬の変化を確認します。

2026年7月中旬のVIX日足。SARの青い点がローソク足の上から下へ移り、MACDの青線が橙線を上抜ける。
7月中旬の拡大図。上段では青いSARの点がローソク足の上から下へ移る箇所、中段では青いMACD線が橙のシグナル線を上抜ける箇所を見ます。

RSIは40台前半から切り返し、MACDとSARにも上昇方向の変化が出ました。ただし、これは当時の各取引時点で何を確認できたかと分けて読む必要があります。米国VIXの日足が確定するのは日本市場の取引時間後です。7月16日の米国VIXの確定値を、同日の日経平均急落を事前に見抜いた証拠にはできません。

日本側では日経平均が7月16日に1,915.97円安、17日に2,694.42円安でした。私がここから学んだのは、需給の懸念とVIXの向きの変化を時差も含めて監視すること。後からチャートを見て「暴落を予知できた」とは言いません。

「過熱した需給+VIX上昇」は警戒材料

私が学んだフレームでは、信用買い残の積み上がりなど買いに偏った需給と、VIXの上昇方向への変化が重なる局面を警戒します。これは暴落の発生や時期を確定する「公式」ではなく、ポジションを慎重にするための組み合わせです。

MACD・SAR・RSIはどれも同じVIXから計算されるため、三つ揃っても独立した証拠が三倍になるわけではありません。私が重視するのは、VIXと信用残・信用倍率のように、出どころが異なる情報の重なりです。

底打ちと日々の運用ではどう使う?

VIXが急騰している間、私は無理に底を拾いにいきません。VIXのMACDデッドクロスを、警戒感のピークアウトを探る手掛かりにします。私自身は日経VIも重ね、両方の低下と日経VIのMACDの変化を、地合い改善を判断する材料の一つにしています。これだけで株価の底を断定するものではありません。

  1. 直近で確定した米国VIXと、当日の日経VIの向きを確認する
  2. 逆風なら新規エントリーを慎重にし、保有銘柄の買い根拠や撤退条件を点検する
  3. 地合いが落ち着いてから、個別銘柄の需給とチャートを確認する

VIXは売買サインを一つ増やすためではなく、戦いにくい日を避ける入口です。数字の高さだけでなく向き、日経VI、需給、そして日米の時差まで確認して使っていきます。

出典:Cboe VIX FAQ、日経平均VIの指数情報、日経平均の騰落記録。画像は提供されたVIX日足チャートです。7月の需給判断と運用方針は私自身の当時の観測として記載しています。

本記事は私が学んだ投資フレームワークを参考にした私自身の学習・検証記録です。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。判断には最新のデータをご確認ください。

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